登った日 2008年4月28(月)〜30日(水)
天気
メンバー Kさん、(山の会)、mogu
目的 残雪の蝶ヶ岳に登る
行程 28日新宿〜(高速バス)〜松本〜(電車)〜新島々〜(バス)〜上高地〜(徒歩)〜横尾
29日横尾山荘〜蝶ヶ岳山頂〜蝶ヶ岳ヒュッテ(泊)
30日蝶ヶ岳ヒュッテ〜横尾分岐〜横尾山荘〜上高地〜(高速バス)〜新宿
関係リンク 高速バス⇒アクセス信州
宿泊⇒横尾山荘蝶ヶ岳ヒュッテ
日帰り入浴⇒上高地アルペンホテル  (入浴料¥500、12時〜14時まで)
上高地から蝶ヶ岳の地図


4/28(月)
新宿バスターミナル7:00〜松本バスターミナル10:12/10:50〜(松本電鉄)〜新島々11:20/11:30〜上高地バスターミナル12:35/13:00〜明神13:50/14:00〜徳沢14:45/15:00〜横尾15:55(泊)   ※歩行時間2時間30


去年の冬山シーズンは1回しか雪山に行かれなくとても残念でした。今年は会で雪山教室が開催され頑張るぞと思って張り切っていたのですが、まず初めの谷川岳では天候が悪く途中敗退。1月の蝶ヶ岳も天候が悪く上高地散策になった、2月の赤岳は気合いを入れていたのにこれも天候が悪く一週間延期になり予定が合わずに行けなかった。3月は上越のタカマタギ山でしたが渓友塾が始まり日程が合わずに行けなかった。4月に奥穂高岳の予定がありましたが何処の雪山にも行けなかった私は、奥穂高なんてとても無理だと思い断念していました。そんなとき奥穂高から下りてきたパーティーが蝶ヶ岳に登ると聞いてだったら蝶ヶ岳だけ参加させて貰おうと思っていました、ところが良く聞いてみると私の行ける日程よりも1日早い事が判り一緒に登るのは断念。でもこれで雪山シーズンが終わってしまうのはなんともクヤシイので、会の人と2人で蝶ヶ岳に挑戦することにした。いつも雪山はベテランの人に連れて行って貰っていたので自分たちだけで登るのは初めて、何処から登るか先輩達にいろいろとアドバイスを貰い、長壁尾根は長くて迷いやすいとのことなので横尾から登ることにして横尾一泊山頂で一泊の無理のないゆっくり日程を組みました。


 上高地に入るのにはいろいろと方法がありますがこの時期一番安い行き方を調べ、結局高速バスで行くのが一番安い。一日目は横尾までなので高速バスも昼間発で松本向かう、松本から初めて松本電鉄に乗り新島々まで行きここからバスで上高地バスターミナルに行きました。5月に入れば新宿から上高地行きの直通バスも運行されるようです。バスは思っていたよりも混んでいなく快適、電車もローカル線らしくのんびりと走り、新島々からバスも接続されていて新緑の山々を見ながら予定通り上高地バスターミナルに着いた。今回一緒に登る人も1月の釜トンで泊まったときに一緒だったので、釜トンネルを通るときにここに泊まったんだよねと言い合い笑ってしまった。


上高地バスターミナル、後は穂高の稜線

上高地はまだ新緑には早かったですがお天気が良く観光客の人達がたくさんいました。ここでお昼を食べて出発、河童橋で記念にお約束の写真を撮り歩き始めます。雪はほとんど残っていないが所々ぬかるんでいます、観光客も明神まででそこから先は登山の格好をした人達が多くなる。



上高地お約束の景色〜鯉のぼりも泳いでいる。

明神到着、明神岳がよく見えます。

 徳沢に着きひと休み、所々残る雪を除けてテントが張られていますが連休の前半なのでまだそんなに多くないのかも。徳沢から横尾に向かって歩いていると耳慣れた声が聞こえ、なんと同じ会の奥穂高組とバッタリ。二組のパーティーが奥穂高岳に行っていましたがその内の1パーティーで、話を聞くと天候が良くなかったから下りてきとのこと、もう一組は登って行ったとのことでした。同じ涸沢にいたはずの二組、一組は下山一組はアタックとそのパーティーの考えで随分違うものだなと思った。蝶ヶ岳は山頂付近でガスが出ると判らなくなるから気を付けるようにとアドバイスを貰い別れた。



徳沢と横尾に向かう道、雪がまだ残っています。

 夕食
 横尾山荘は立て替えの真っ最中で資材を運ぶ道路が河原に造られていて、途中からみんなそこの道を歩いていく。真っ青な空に屏風岩が見えてくると横尾到着です。テントサイトにもまだ雪があります。手続きを済ませて部屋に案内された、2段ベットで8人部屋です。落ちついたら外にでて奥穂高組が来ていないか探しましたが、下りてきていないようで涸沢に泊まっているのでしょう。下りてきた人に聞いてみたら、今日の奥穂高は結構人が登っていたらしくみんな無事に登頂できたかな。私達は新しくできた横尾山荘のお風呂に入り、美味しい食事を頂いて明日に備えました。


立て替え中の横尾山荘、手前の建物はトイレ、新しいお風呂(石鹸もシャンプーも使えません)

夕暮れの屏風岩





4/29(火)
横尾6:50〜槍見8:25/8:35〜稜線分岐10:35/11:25〜蝶ヶ岳山頂12:00/蝶ヶ岳ヒュッテ12:50(泊)※歩行時間4時間10(休息含む)


 朝起きてみたら今日も良いお天気、ピストンなので横尾山荘に帰りの着替えなど預かって貰い出発。蝶ヶ岳に向かうのは私達だけらしく、ほとんどの人は涸沢方面に行くらしい。横尾山荘のすぐ横から登山道が有り初めはアイゼンを履かずに歩き始めます。私が先頭で歩きトレースはありますが少し道を外して軌道修正。残雪期とはいえやっぱり雪道、迷わないようにしっかりと踏み跡を見ていかないとね。5分もしないうちに急登になり話には聞いていましたが大変!!油断すると踏み抜いてしまうし、あまりの急登で足がすべって安定しないのでアイゼンを付ける。林の中はトレースも一本じゃないのでぼんやり登っているとトレースを外しそうになるので木の目印や赤テープを見つけながら慎重に登る。ずっと樹林帯の中を登っていくが途中に槍見という場所で穂高と槍ヶ岳が見えた。下りてくる人達も増えて上は絶景ですよ〜と教えてくれます。



直登ぎみに登っていく・・・・


途中唯一開けている所から槍ヶ岳が見えました。休憩場所に最適


ときどき休みながら急登を登り樹林帯が終わると10分で横尾の分岐に到着しました。ほんとに目の前に穂高連峰が鎮座していて素晴らしい景色です。まだ時間も早いので少し常念岳方面に行き、昔の三角点の所でしばし休憩なんとも贅沢な時間です。



やっと樹林帯を抜けると稜線はすぐ


分岐の標識、左に行くと常念岳、右に行くと蝶ヶ岳山頂

時間があったので常念岳のほうに行ってみる


常念岳方面、例年より雪が多いそうだ、縦走してきた3人の人達がいた。


上高地方面、後は乗鞍かな?


 稜線上は風もなくゆっくり景色を堪能、横尾分岐に戻り蝶ヶ岳ヒュッテを目指します。ここからは広々とした雪原が広がりこれではガスってホワイトアウトになったら迷うだろうなと思った。雪山はなんといってもお天気ですね。トレースもバッチリと付いていたので30分ほどでポールが立っている場所に着き下を見ると蝶ヶ岳ヒュッテの赤い屋根が見えました。また雪に埋もれていて入り口も埋まっていて何処だろうと見回してみた例年よりも雪が多いとのことです。まだ早いのでヒュッテを通り越して山頂に行き、ここでお昼ご飯を食べました。横尾から上ったときは余り人がいなかったけど、ここに来ると徳沢方面から長壁尾根を登ってきた人達がたくさんいました。テントサイトには1張りのテントが張られています。360度の見渡せる景色の中で食べるカップラーメンは美味しいな〜



頑張って登った甲斐が有りました

安曇野方面は少し霞んでいます。


左、山頂からのパノラマ・・・・右、朝の穂高
クリックで大きくなります。

さてさて雪に埋もれた蝶ヶ岳ヒュッテに向かい手続きをしますが雪に埋もれているからか中は寒いです!!ストーブも普通の灯油のストーブで部屋が広いから暖かくならない。トイレは明るい内は外に行ってくださいといわれいちいち靴を書き換えて行くので面倒、小屋明けすぐだから仕方ないのかな?布団もひんやりとしていて、一昨年の唐松小屋を思い出した。そうじゃないかなと念のためにインナーシェラフ持ってきて正解でした。これ一枚あるのと無いのでは冷たさが違い小屋泊まりには必携アイテムです。



雪に埋まっている蝶ヶ岳ヒュッテとヒュッテの入り口、掘り下げてあるから滑りそうで怖かった。。

 
夕食それにしても寒い!!自炊するところでコーヒーを入れてのんびりしますが、時間がまだ早くて手持ちぶさた。寝るのも寒いし〜で必然とストーブの周りに人集まってくる。寒いけどビール一本飲んで他の人達とお話しをして時間をつぶす、今回は20名位の泊まり客で、中にはテント泊で来たけど雪があるので小屋泊まりにしたという人もいました。少し仮眠を取ったりしてやっと食事の時間にメニューはなんとウナギでした。ご飯を食べたあと夕日を楽しみに外に出ましたがなんと穂高方面はすっぽりと雲が覆っている。この分では夕日は無理なので諦めて小屋に戻る。明日の天気をテレビで見て、ストーブに当たりながら熱燗を飲んで体を温めてから布団に入ります。この時期だから寒いのは仕方ないけどもう少し小屋の中暖かいと良いのにと思った。


 



4/30(水)
蝶ヶ岳ヒュッテ6:10〜分岐6:30〜槍見7:35/7:45〜横尾8:40/9:15〜徳沢10:00/10:10〜明神11:00〜上高地11:35〜バスターミナル14:00〜(さわやか信州号)〜新宿18:40着※4時間40(休息含む)


翌朝もモルゲンロートを期待して早く起き出し、ご飯の前に外に出てみますが東のほうには雲があり日の光りが弱く、朝焼けは余り期待できないとカメラマンの人に言われた。それにしてもみんな凄いカメラを持ってきていた私のショボイデジカメではこの雄大な景色撮るのは無理だわと諦める。昨日見たテレビでは下界は夏日になっていたようで暖かい空気が登ってきているのかもね。



日の出、雲が多くイマイチでした

瞑想の丘と槍ヶ岳


朝ごはんを食べて出発です、今日は12時までに上高地に着きたいので6時出発、今日も風が無く横尾分岐まであっという間に着いてしまいました。昨日はストックで登って来たのですが今朝はピッケルを出して斜面を下ります。でもこの季節ピッケルはいらなかったかなと思いますが山は何があるか判らない、樹林帯に入りひたすら下っていくと途中で単独の男性が大変だと言いながら登ってきた。私達も昨日の大変だったことを思い出し励まして別れました。下りも間違わないように印を見つけながら下りますが、昨日の登りよりは下りの方が木についている目印が見つけやすいし多い、やっぱり下りの方が迷いやすいからかな。1つ気がついたのだけど木に○と=の印が付いているけど、=の方は通行止めの意味なのかな?こういう印にもそれぞれ意味があるのだろうか・・・・



この景色ともお別れ〜


踏み抜きに注意しながらなんとか横尾に到着〜下りはやっぱり早い。無事に着き2人で握手、お天気に恵まれなんとか自分たちだけで雪山に登れました。。こういう体験を数こなして少しずつ経験を積んでいつか奥穂高に登れるようになりたいねと2人で話しながら、預けてあった荷物を貰いパッキングして上高地に向けて出発。私達が帰るときも涸沢に行く人達がたくさんいました、なんだか涸沢へ涸沢へと草木もなびくよ〜って感じです。


徳沢に着くとヒュッテで一緒だった人達に会った、長壁尾根を下りてきたとのことで様子を聞いてみたらやっぱり長かったと言っていた。でも横尾から徳沢までの時間を入れればたいして変わらないわね。上高地でゆっくりとしたいから明神では休まずにそのまま歩いて11時30分に河童橋に到着。橋を渡り上高地アルペンホテルで日帰り入浴をしてからバスターミナルでお昼を食べ14時発のさわやか信州号に乗って帰路に着きました。



上高地に戻ってきました〜入浴した上高地アルペンホテル

初めて自分がリーダーで残雪期の雪山に登り、雪山はなんといってもお天気次第だと改めて思いました。今回は同じくらいのレベルの友人と2人でしたから、お互いに無理するのはやめようねと話しての山行だった。やっぱり私の中で冬山・雪山は登山の中でも一番怖いと思うことに変わりはなく(2番目が沢登)、これからも自分の実力にあった冬山・雪山に行きたいなと思いました。